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小心者の小心者による小心者のためのブログ

イケメソ☆パラダイス  

美少女の家に突然美男子が転がり込むストーリーは、少女漫画として成立すると思うが、平凡な三流小説家の家に突然美男子が転がり込むストーリーは、需要があるようには思えない。
俺と涯とユニは、俺がいつも行っている銭湯に来ている。
「ベッドが無いのがな・・・」
「ベッドなんて入れる隙間無えんだよ・・・」
「おまけにトイレは共同・・・」
「アイドルはトイレしないんだろ?」
「そんなアイドル都市伝説を信じてるわけじゃないだろ」
「まぁな」
俺とユニが話してる横で、涯はスポンジの泡を作るのに夢中だ。
「すごいなコレ。なんかいい匂いがする」
「あんま無駄遣いすんなよ。」
「貧乏臭いこと言ってるな」
「貧乏なんだから仕方ないだろ・・・」
「家の中で着てる服のセンスもありえないな」
「あのなぁ・・・トータルで車一台するようなファッションができるのは金持ってる奴だけなんだぞ」
「俺は量産品なんて着なかったからな。全部世界に一着だけのものだ」
「全部目玉が飛び出すほど高いんだろ」
「服に金を掛ける奴の気持ちは分からんな」
涯の場合は服に掛ける金がないだけなんだけどな・・・とは口が裂けても言えない。
「これからは量産品を着るしかないわけか」
「新しい服を買いに行くまでは俺の服で我慢してくれ」
「足の長さが違うだろ」
二人同時に言われると、さすがの俺でも凹みそうになる。
「仕方ないだろ他に服が無いんだから」
「背に腹は代えられないか。」
「とりあえず動きやすければいいだろ」
結局涯とユニは俺のジャージとTシャツを着ることになった。
「センスが悪い」
「俺が買ったんじゃなくてもらったんだよ」
ユニが着ているのは、友人が旅行のお土産にくれたTシャツで、前面に『大和魂』と書かれている。
「なんでよりによって大和魂なんだ?」
「新しいのがそれだからだよ。」
「なんでだ・・・胸だけ苦しい」
「アレだ恋わずらいだ」
「いい加減なことを言うな」
涯の方はTシャツがパツパツになっている。
「もっとマシなのはないのか?」
「他のもだいたいそんなんだぞ」
「早く服を調達するべきだな」
「予算ってのがあるんだからな。あんま高いとこは行かないぞ」
「それはさっき聞いた」
「少なくともこの状態よりはマシなものになることを願うしかないな」
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Posted on 2012/09/27 Thu. 00:22 [edit]

category: 55号室の住人

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