爆心地

少年のクラスにやってきた転校生は、背が低くて眼鏡を掛けていて見るからに弱そうだったのに、いつも少年をパシリにしていた奴らをあっさりと撃退してしまった。

「見てたんだろ？」
転校生と少年は並んで屋上のフェンスから校庭を眺めていた。
「すごかったね。びっくりした」
「あいつらがお前を追い詰めたんだな」
「え？」
「すぐには信じられないのも無理はない。俺だよ」
姿は眼鏡で小柄な転校生のままだったが、声だけはあの夕暮れの屋上で聞いた男のものだった
「どういうこと？」
「お前に力を貸すって言っただろ？」
「そうだけど・・・見た目が・・・」
「中学校に紛れ込むにはこの姿の方がいいだろう？」
「それは・・・そうだけど・・・」
少年は答えながらも、頭の上には大量の？が浮かんでいる。
「そういえば、どうして力を貸してくれるの？」
「教えてもいいが、ことが終われば全部忘れるぞ？」
「ことが終われば？」
「まぁ、こっちの話だ。」
「僕に死なれたら困ることでもあるの？」
「俺は基本的に困ったりしない」
「？？」
「俺は今釣りをしてるんだ」
「釣り？」
「そうだ。といっても、お前が想像してるような海や川でやるアレじゃないぞ？」
「えーっと・・・他にどんな釣りがあるの」
「お子様は知らなくてもいい種類の釣りだ。まぁ、そういうことでもないんだけどな」
少年の頭の上の？が増えていく。
「そして、釣りをするには餌がいる」
「ミミズとか？」
「そういうことだ。そして、お前がその餌だ」
「僕？」
「兎に角そういうことだ。もう少しすれば自分が死にたいなんて思ってたことも忘れるさ」
「？」
「そろそろ戻らないと休み時間が終わるな」
転校生はそういって屋上を後にした。

Posted on 2012/10/28 Sun. 14:23 [edit]

category: 彼岸花

ただいまです＾＾

なんだろう～～

謎が謎を呼んでます！面白い＾＾

続きが楽しみ♪

Re: ただいまです＾＾

夕暮れの屋上で少年が男と出合ったのは偶然ではなかった

そんなかんじですね～

頑張って続きを書きますね！

こんばんは

YUKAさんと同じ感想です。
謎が謎をよんでます。
続き、ものすごく期待しています！
頼みますよ！！

Re: こんばんは

期待されてると思うと
緊張しますね！

途中で止まらないように努力します。