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とある社畜がブラック本丸産に間違われる話24  

とある社畜表紙
1:成り代わりが出てくる
2:捏造ご都合主義がいっぱい
3:顧の礼
4:キャラ崩壊が著しい
以上のことを踏まえた上で、問題ないという方は中へ、問題しかないという方は速やかに×ボタンで退避してください。
『ブラック本丸産だと思われているらしい。』

本丸で新人研修として見習いを受け入れたわけだけども、その見習いの子は人の話をちゃんと聞かないうえに思い込みの激しい子だった。まさか主の前でズボンを脱がされそうになるとは思わなかった。前にパン1状態を見られたことはあるけども、何度も主にパンツ見られるのは嫌だ。見習いちゃんに見られたのだって事故のようなものだ。

「やっぱりちゃんと手入れした方がいいと思うんですよね」
「手入れなら終わってるよ。」
「だって、ここの傷とか消えてないじゃないですか」
「だから、これは消えないんだって言ってるだろ?」

見習いちゃんは俺の額の傷が消えないのが納得できないらしい。そんなこと言われても困る。手入れは先日の真剣必殺を出した後に済ませてる。その後は遠征しかしてないから負傷もしてないし、どうせ今行ったところで手入れ部屋には入れない。

「嫌じゃないんですか?そんな所に傷があって」
「普段は見えないし、痛いわけでもないから、気にしないよ」
「もしかして先輩と霊力の相性が悪いんじゃ・・・」
「戦闘での傷はちゃんと消えてるから、それは無いと思うんだけどな」
「ごはんあんまり食べないのも、夜中いつまでも眠れないのも、合わない霊力のせいじゃないかって思ってたんですよね」
「いや、霊力が合わなかったら俺今ここに顕現できてないから」
「無理やり合わせてる不具合が出てるのかもしれませんよ」
「無理なんてしてないよ。ここは居心地がいいんだ」

俺が無茶するからって出陣はさせてもらえないけど、遠征とか本丸の中のこととかやっていれば、ここにいてもいいんだって思えるし。ブラックで働いていた頃に比べたらまさに天国だ。こんな居心地いい場所は他に知らない。

「手入れしてあげましょうか?」
「え?」
「もしかしたら私がやったら直るかも!」
「待って?君はまだ研修期間だろう?勝手なことは止めた方がいいよ」
「大丈夫ですって!」
「それに、手入れ部屋には入れないよ。俺は負傷してないから」
「手入れ部屋に入らなくても、簡易キットでちょちょっと直せますよ」
「簡易キット?」
「今は通販でこういうのが買えるんですよ」

見習いちゃんはそう言いながら携帯用の裁縫道具みたいな容器を取り出した。ミニチュアサイズの手入れ道具はほんとに効果があるのか?って心配になるようなかんじだけど、どうやらこれを使えば軽傷程度の怪我は治せるらしい。

「それじゃ、ちょっと目を閉じててくださいね」
「待って見習いちゃん。やっぱり不味いと思う。君の評価に関わることだし」
「私の心配をしてくれるんですか?」
「そりゃあ、研修中に何かあったら困るだろ?」

心配なのは見習いちゃんというより、主のことなんだよな。この子が無茶して主になんらかの迷惑が掛かる事態になるのだけは回避したい。ただでさえ俺みたいなのを置いてもらって迷惑掛けてるわけだし。

「大丈夫ですって!」
「ちょっ・・・まっ・・・」

俺の制止も聞かずに見習いちゃんが手入れを始めた。手入れ直後に猛烈な吐き気が襲って来た。頭痛もする。やっぱりこれヤバいやつだ

「う゛っ・・・ごめ・・・吐きそう・・・」
「えっ?!」
「ごめん・・・ちょっと・・・席を外す」

ダッシュでトイレに駆け込んだ。朝食った物とか全部出た。吐いても全然楽になれない。頭痛い。これは、あれか?主以外の霊力を流し込まれた拒絶反応とか?それとも二つの霊力が混ざり合ったことによってなんらかの不具合が発生したのか?混ぜるな危険?

「ぐっ・・・げほっ・・・ごほっ・・・」
「燭台切さん」
「あ゛・・・来ないで。汚いから」
「ごめんなさい。まさかこんなことになるなんて思わなくて・・・」
「大丈夫。これぐらいどうってことない。」

見習いちゃんは見るからにしょんぼりしてる。まぁ、手入れの途中で吐きそうとか言われたらショックだよな。トラウマにならなきゃいいけども。

「苦しかったですよね・・・」
「俺は平気だよ。だからそんな顔しないでくれ」

嘘です。はっきり言ってめちゃくちゃしんどいです。腹の中をかき混ぜられてるみたいなかんじが無くならない。でもそんなこと言ったら見習いちゃんがさらに落ち込みそうだから、俺は何も言いません。これが正しい大人の対応おぼろろろ・・・

「出陣もしてないのにどうして軽傷になったんだ」
「実は赫赫云々で」
「なるほど・・・って、赫赫云々じゃ分からん」

何故か軽傷になって赤疲労にもなったから手入れ部屋につっこまれた。状況説明したら長谷部君に呆れられた。まぁ、そりゃ呆れるよな。

「見習いに手入れされるなんて、何をやってるんだお前は」
「俺も一応止めたんだけどさ。あの子、人の話聞かないから」
「見習いのマニュアルにもあるはずだ。研修先の刀剣に霊力を流し込む行為をしてはならないと。主の霊力と見習いの霊力が混ざった時に、刀剣に不具合が発生するからな」
「うん・・・多分あの子マニュアルを読み込んでないよ。説明書とか読まないで失敗するタイプだと思う」
「何はともあれ無駄に高い生存値が役に立ったな。短刀だったらどうなっていたか」
「誰がゴキブリ並の生命力だ」
「誰もそんなこと言ってないだろう」

こんなことがあったから、見習いちゃんは俺の傷についてとやかく言わなくなった。誰に手入れされたところで怪我が消えないことははっきりしたわけだしな。むしろあの直後に額から出血してたから俺。古傷がぱっくりひらいて眼帯とか血まみれになったから。自分でも驚いたわ。

切光:少年漫画の主人公並に派手に額から血が出てびびった。
切長:お前のビジュアルで少年漫画の主人公は無理がある
切光:政宗公だって主人公枠なのに?!
切長:大倶利伽羅の方が主人公感ある。
切光:(つд⊂)エーン
切長:どう考えてもお前はホストだろ。
切光:ご指名かい?それじゃあ期待に応えないとね
切長:誰が指名するか馬鹿。
切光:( ´▼д゚`)エー
切長:ドンペリのドンペリ割とか出すんだろ
切光:割り切れないよ。ドンペリも俺の気持ちも
切長:うまいこと言ったつもりか。
切光:それに俺下戸だからドンペリ飲めないし
切長:そんな顔して下戸なのかお前。
切光:顔は関係ないと思う。
切長:派手に遊んでそうな顔してるくせにな
切光:(´▼ω;`)
切長:(´◉◞౪◟◉)
切光:ビクゥッ∑(▼ω゚ノ)ノ
切長:燭台切がこんな顔で俺の方見てる。正直めっちゃ怖い。助けろ
切光:いや、さすがにこんな不細工な顔はしないだろ
切長:(´◉◞౪◟◉)<長谷部君
切光:君の目に俺がどんな風に映ってるのか心配になってきた。
切長:お前は(`▼ω・´)だから問題ない
切光:犬じゃないか
切長:犬じゃないシャキーンだ。
切光:長谷部君はこれだな。(=・ω・=)にゃ~
切長:俺が未だに猫耳取れないことを気にしていると知っての狼藉か
切光:出陣してるのに、真剣必殺出せないの?
切長:せっかく夜戦に出れても刀装が厚くて負傷しないし、負傷してもすぐ手入れされるから真剣必殺を出せない
切光:それだけ主は君のこと大事に思ってるってことだよ。愛だよ愛
切長:一度でいいから真剣必殺出したい。そしてこの猫耳とおさらばするんだ
切光:演練の時に俺がフルボッコすれば真剣必殺でるかもな
切長:そんなことしてみろ、演練終了と同時にお前がフルボッコされるぞ。
切光:君のセコム怖すぎだよ。
切長:俺にはあいつとお前が同じ刀とは思えない。
切光:どうせ俺は爽やかじゃないよ!(#゚Д゚)プンスコ
切長:お前は燭台切が爽やかだと思ってるのか?それは勘違いだ。

勘違い?燭台切君はどうみても爽やかな好青年だろ。少なくとも俺と同じ人種とは思えない。人種というか刀種か?誰にでも優しいし、イケメンだし、かっこよくて強いし。たまに俺って実は燭台切の写しか贋作なんじゃないかって思うぐらいだからな。

「この前のお詫びに足つぼマッサージします」
「えっ・・・それってどっちかというと罰ゲーム的なやつじゃない?」
「大丈夫ですよ。私けっこう上手らしいので」
「らしいって・・・」

見習いちゃんはどこを目指しているんだろう・・・って

「いだだだだだっ・・・痛い!痛い!」
「これ相当内臓とかやられてるってことですよ」
「いや・・・これそういうのじゃ・・・あ゛―!!」
「不健康な生活してるからですよ」
「・・・痛い痛いいったい!!もっ・・・やめて!」
「健康のためです」
「刀剣に健康とか関係・・・な゛っ・・・あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!」

結局両足ともツボを押されまくったわけだけど、実際の足つぼマッサージってあんな風に「あ゛―!!」とか声出る程やるものじゃない。あんな風に痛いのって逆に健康に悪いんじゃないのか?見習いちゃんは上手いらしいとか言ってたけど、それって一体どこ情報なんだろう?他の人にもアレと同じことやったのか?

「心臓の音とか、呼吸の音を聞くと安心して眠れるらしいですよ」
「まさかと思うけど、俺と添い寝するつもり?」
「あっ、心配しなくても私はしませんよ。彼に頼みましたから」
「主命を果たすためだ。別に、お前のためなんかじゃないんだからな!」

見習いちゃんの横には、見習いちゃんが鍛刀した長谷部君がいる。うちの長谷部君や切長君と比べると若干幼い顔つきをしてる。

「何をぼさっとしてる。さっさと布団に入れ」
「え・・・いや、俺は一人で寝るよ?」
「俺に主命を果たさせないつもりか」
「いくら主命だからって、こんなことまでする必要ないよ。」
「・・・主命を果たさ(ちゃんとし)ないと・・・また捨てられる」

捨てられた子犬みたいな顔で見てくるから、仕方なく布団に入れてあげた。そういえば、長谷部君が終電逃しちゃった時は俺の部屋で一緒に寝たこともあったな。あんなに近くにいたのに、なんで俺長谷部君の異変に少しも気づけなかったんだろう。

「いい加減自分のこと赦してあげてもいいんじゃない?」

何故か真っ暗な空間にアンティーク調のテーブルと椅子が置いてあって、片方の椅子に燭台切君が座っていた。

「そんなとこに立ってないで座りなよ」
「あんた・・・何者だ」
「君のその身体の元の持ち主だよ。ずっと呼び掛けてるのに、全然気づかないんだもの」
「元の持ち主?」
「そうだよ。まぁ、僕が勝手に君に押し付けたんだけどね」

何も無かったはずのテーブルの上にお洒落なティーセットが現れた。燭台切君は慣れた手つきで優雅にお茶を淹れ始めたけど、ホストみたいな燭台切君とアンティーク調のティーセットはなんだかアンバランスだ。

「僕は折れかけてたし、君も死にかけてたから、試しに引っ張ってみたんだ。案外簡単に君は僕の身体に定着したよ。」
「俺が死にかけてた?」
「覚えてないのも無理はないか。君ね、刺されたんだよ」
「刺された?」
「そうだよ。君も運が悪かったね。あんな場所で通り魔に刺されるなんて」

燭台切君の説明によると、俺は終電を待ってる間に、通り魔に刺されたらしい。刺した犯人は捕まったようだけども「誰でもいいから刺してみたかった」とか言ってたと聞いて怒りを覚えた。なんでそんな理由で刺されなきゃならないんだ。確かに人に誇れるような生き方はしてなかったかもしれないけども、俺だってその日その日を精一杯生きてきたんだぞコノヤロー!

「あんた折れかけてたって言ったな。なんだってそんなことに」
「君が最初にいた場所覚えてるかい?」
「えーっと・・・墨俣?」
「そう。そこに僕は一人で放り込まれたんだ。それなりに練度は上がってたんだけど、撤退の許されない状態で戦い続けるには限界があってね」
「どうして撤退できないんだ?」
「主が撤退指示を出さなかったら僕らは本丸には帰れないんだよ。まぁ、あの男は最初から僕のことを戦場で折るつもりだったんだろうけどね」
「なんだってそんなひどいことを・・・」
「あんな男のところに降りたのが運の尽きだったってことだね。あいつは絵にかいたようなブラック審神者だったよ。僕の目の前で僕の恋人を凌辱して、僕が絶望する様を見て喜んでいるような下衆だ」

説明を聞けば聞くほど胸が悪くなるような話だ。過剰出陣・重傷進軍・刀剣破壊・日常的な暴力と暴言・夜伽の強要・・・劣悪極まりない環境だ。俺のいたブラック企業なんて可愛いものに思えてくる。

「契約が切れて本丸に戻れなくなってたのは誤算だったな。あのまま本丸に戻ってあの男をどうにかしてくれたらとも期待してたんだけど」
「待て。その話で行くとあんたは俺を人殺しにしようとしたってことだぞ」
「その通りだよ。あいつを殺して、彼をあいつから解放してあげたかった。」
「過激だな・・・」

もしあの時契約が切れてなかったら、そして俺がそのブラック本丸に向かっていたら、一体どうなっていたんだろうか?この燭台切君の狙い通りに俺はそのブラック審神者を殺したのか?いや、いくらなんでも初対面の人間を斬り殺すなんてことは想像できない。そもそも俺の考えが燭台切君の考えとマッチするとも思えないし。

「僕にとっては彼以外はどうでもいいんだ。審神者の命だって、彼に比べれば屑同然さ。」
「あんたが言ってるその『彼』ってのは何者なんだ」
「長谷部君・・・あぁ、切長君って言った方が分かりやすいかな?」
「なんでそこで切長君が出てくるんだ」
「彼が指輪を持っているのは知ってる?」
「いや、そういった話はしたことがない」
「彼が首から提げてる鎖に付いてる指輪。アレはね、僕が彼にあげたものなんだ」
「ん?待てよ。それでいくと、切長君はブラック本丸にいたってことに・・・」
「そうだよ。彼が僕の愛した刀だ。まぁ、中身は別物になっちゃったみたいだけど」
「中身が別物?」

説明によると、切長君の身体の元の持ち主はブラック審神者を斬り殺そうとして堕ちかけていたらしい。そこで、燭台切君が俺にやったみたいに、死にかけの・・・いや、もうその時にはすでに死んでいたらしい誰かを引っ張りこんで自分の中に定着させたということだった。つまりあの切長君の中身は長谷部君では無い何かなんだ。

「あの切長君の中身は何者なんだ?」
「そんなこと、僕が知るわけないだろう?」
「は?」
「あぁ、時間切れだ。」
「待てよ。中途半端な情報を残して行くなよ!」

現れた時と同じように燭台切君は消えた。不意に何かに引っ張られるような感覚がしたと思ったら見慣れた俺の部屋で、俺の横では長谷部君が寝息を立てていた。あぁ、あれ夢だったのか。どうでもいいけど長谷部君すごい近いな。近いっていうかすごい密着してる。

「主。俺は主命を果たしましたよ」
「よくできました」

見習いちゃんに頭撫でられてる長谷部君は、見た目もそうだけど、中身の方も幼い。うちの長谷部君だったらこんなことしない。

「どうでしたか?よく眠れました?」
「うん。おかげさまでよく眠れたよ」
「それじゃあ、私の研修が終わるまでは、長谷部のこと貸してあげますね」
「いや、待って?長谷部君の意思はどうなるの」
「主命です。これからは燭台切さんと一緒に寝るように」
「主命とあらば」

主命とあらばなんでもするとは言ってたけども、こういうことに主命使っちゃう見習いちゃんはどうかと思う。
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Posted on 2017/07/10 Mon. 07:00 [edit]

category: 刀剣乱舞小説

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