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とある社畜がブラック本丸の刀剣に成り代わる話 3  

とある社畜
1:成り代わりが出てくる
2:捏造ご都合主義がいっぱい
3:度見しました
4:キャラ崩壊が著しい
以上のことを踏まえた上で、問題ないという方は中へ、問題しかないという方は速やかに×ボタンで退避してください。
「おはよう」
「お?おう、おはよう」

昨日はいつまで飲んでたのか分からんが、日本号は二日酔いになったりはしてないようだ。どういう分解酵素を持っているんだ?まぁ、俺もどちらかといえばザルだから、翌日まで酒を引きずることもないんだが。

「おはよう長谷部君。眠れた?」
「おはよう。おかげさまでよく眠れた」
「そっか。それはよかった。朝餉の支度できてるから、大広間に来て」
「分かった」

大広間に行ったらかなりの数の刀がいた。ほとんどの席が埋まってるから、空いてる場所に適当に座らせてもらう。俺の隣は・・・長曽祢虎徹と山姥切国広か。新選組局長の刀と、堀川の最高傑作に挟まれて朝食とは、なかなか体験できるものじゃないな。

「長谷部君。料理の味、どうだった?」
「美味しかった。」
「よかった。」
「特にあの卵焼きはよかった。」
「僕が作ったんだよ」
「そうなのか。あれなら毎日出てきてもいいな」
「そんなに気に入った?」
「あぁ。」

久しぶりにまともな飯を食った気がする。長谷部の身体に至ってはしばらくどころか、顕現してからまともに飯食ったことないっぽいしな。食わなくても死なないとはいえ、さすがに空腹に耐える日々は辛いものがあっただろうな。俺は腹が減るとイライラするタイプの人間だから、飯抜きとか耐えられない。一本で満足できるとか謳ってるあの固形食でもいいから何か腹に入れておきたい。

「長谷部さんは今日は畑当番をお願いします。」
「拝命いたしました」

畑仕事か・・・俺にできるか?自慢じゃないがまともに農作業したことなど今まで一度もないぞ?素人に務まるものなのか?俺と一緒に畑当番をするのは、大倶利伽羅か。ふむ・・・見た目はヤンキーだが、根は素直ないい子・・・らしいな。そして長谷部とは人間でいうところの叔父と甥にあたるのか・・・。まぁ、刀剣にそういう概念があるのか分からんし、俺には甥なんていたことないからどう接するのが最適解なのか分からんな。

「ここの野菜は立派だな。」
「あんたのところは畑は」
「無かったな。食事は審神者しかしてなかったし、それも外部から持ち込んでいたから畑は不要だったんだろう」
「今まで飯を食ったことがなかったのか」
「この身体は、食わずとも問題ないだろう」

昨日のごはんがこの身体になってから初めての食事だったから、嘘にはならないはずだ。人間は食わないと問題あるけどな。そういえばミツはちゃんと飯食ってるだろうか・・・あいつ、忙しいとすぐ10秒飯とかカロ●―メ○トとかで済まそうとするからな。

「・・・本丸の暮らしはどうだ?」
「あんな風に大勢で食事をすることなど無かったから、なかなか新鮮な体験ではあったな」
「これからは毎日あの調子だ」
「そうか。」

慣れない畑仕事だったが、大倶利伽羅のおかげでなんとか終わらせることができた。ここに来てからは新選な体験が多いな。こうやって土いじりする日がくるなんて、あの頃の俺には想像もできなかった。田舎に実家があるわけでも無し、農村地帯に行ったことがあるわけでもなし、コンクリートジャングルで暮らしてたら土なんて滅多に触らないしな?

「ふぅ・・・農民というのは偉大だな。こんな仕事を朝から晩までしているのだから」
「楽しそうだったけどな」
「そうか?まぁ、悪くはないな。壊すことしかできない刀が、こうやって作る側に回るというのも。面白い」

俺がこんな所で畑仕事なんてしてるって知ったら、ミツはなんて言うだろう?いつだったか「仕事辞めたら、静かな田舎で畑でもやりながら暮らせたらいいな」って言ってたこともあったな。まぁ、忙しくて現実逃避したい時の「南の島に行きたい」と同じようなものなんだろうが、それもなかなか悪くないと思ってた。もう、叶えることもできない夢だ。

「長谷部君ってあまり食べないよね」
「俺は燃費がいいみたいでな。これで十分足りる」

ここの連中は朝からおかわりとかしてたが、さすがに俺は出された分だけで十分だ。むしろ食べ過ぎると動きが悪くなるからな。腹が減るとイライラするが、空腹だと感じるまでの時間はけっこう長い。間食などせずとも夜まで空腹を感じないぐらいには燃費がいい身体だ。忙しい時などは、この体質をありがたいと思ってた。

「これから買い物に行くんだけど、長谷部君一緒に行ってくれるかな?」
「荷物持ちか?任せろ。」

俺は別にジャージでもよかったんだが、何故かシャツとジャケットとデニムを渡されたからそれを着て出かけることになった。余談だが、俺はスウェット上下でコンビニに行くぐらいは平気でできる。まぁ、こんなことを燭台切が知ったら「かっこ悪い!」って怒りそうだけどな?戦装束でもジャージでもかっこよく見えるのは、恐らくあの長谷部のフィルターが掛かってるからなんだろうな。確かに燭台切は整った顔してるし、均整の取れた身体してるし、男の俺からみてもかっこいい部類に入るが、でもそれは俳優やモデルに対して抱くのと同じような物であって、決して好意とかじゃない。

「長谷部君石鹸で頭洗うのはどうかと思うんだ」
「別にいいだろう。洗えればそれで問題ない」
「髪の毛がキシキシになっちゃうよ。主が好きなの買っていいって言ってくれたんだし、ちょっといいのを買おう?」

泡立てば別になんだっていいじゃないか・・・全身石鹸で済ませてる俺がおかしいみたいに言うのはやめてくれ。一緒に風呂に入って分かったことだが、薬研や同田貫も石鹸だったぞ?そこら辺はいいのか?

「選んでくれないか。こういうのはよく分からん」
「僕が使ってるのと同じでいいかな?」
「それでいい」

燭台切はけっこうよさげなのを使ってるんだな・・・だってこれ、安いやつだったら二つは買える値段だぞ?例えるならハー○ンダ○ツとスー●―カッ○ぐらいのものだぞ?いいのか?シャンプー一つにこんなに金出していいのか?

「あっ、心配しなくてもお金はあるからね」
「金の心配はしていないが、こんないいのを使っていいのか・・・」
「いいんだよ。だからもう石鹸で頭洗うのは無しだからね」
「分かった・・・」

買い物の途中で休憩といってコーヒーを飲むことになった。この身体では初めてだな・・・人間の身体だった時はコーヒーの飲みすぎで胃をやられてたから、コーヒーじゃなくてカフェオレにしてたけど、この身体はどうなんだろうか?コーヒー飲んで胃が痛んだりするのか?カフェオレにしておくか?本当は濃いめのブラックが好きなんだけどな。店内で飲むか、テイクアウトかで迷って、結局店内で飲んでいくことにした。

「・・・っ」
「大丈夫?口の中火傷しちゃった?」
「大丈夫だ。少し熱かっただけで」

そういえば長谷部は猫舌だった。味噌汁も少し冷ましてからじゃないと飲めないぐらいには猫舌だったんだ。俺は猫舌じゃないから、うっかりしてた。口の中がチリチリする・・・。これからは気を付けよう・・・

「見せて。」
「あ・・・」
「あー・・・赤くなっちゃってるね。痛い?」
「少しな。」
「ちょっとゴメンね」
「ん・・・ん゛?!」

おい、待て。人が見るだろう?!こんな場所で何を考えている。いや、見られていなければいいとかの問題ではないが・・・待ってくれ。あの長谷部は経験があるようだが、俺の方はこんな体験初めてなんだ。頼むからその顔でこんなことしないでくれ。心臓が爆発しそうだ。まったく厄介な身体にしてくれたものだなへし切長谷部・・・!

「どう?少しは痛いの治っ・・・えっ・・・長谷部君?」
「馬鹿者。こんな場所でする奴があるか」
「えっ・・・嘘・・・ごめんね?まさか君が泣くとは思わなくて・・・」
「泣いてない。少し驚いて涙が出ただけだ」

口の中のチリチリした感じは和らいだけど、その代わりに顔が熱い。こんなことを言ったら笑われるかもしれないが、実質これが俺の初めてのキスだ。今までの人生の中で一度だってそんな場面は無かったからな。どうせなら可愛い恋人にしてもらいたかった。いくらイケメンだといっても、野郎相手にキスだなんて鳥肌物でしかない。シャッター音がしたような気もするが、気のせいであってほしい。

「・・・あんなことをしては、ここに長居はできんだろう。」
「えっ、でも長谷部君まだ残って・・・」
「今ので味が分からなくなった。それに、視線が痛い」

なんか知らんけど店内からの視線をひしひしと感じる。被害妄想かもしれないがこそこそ話してるような気がする。ものすごく居た堪れない気持ちになる。あぁ、もう・・・こいつがあんなことするやつだなんて思わなかった。恋仲でもない相手に・・・しかも男相手に躊躇ゼロでキスするなんて、何を考えているんだ。

「ごめんね。なんか居づらいかんじにさせちゃって」

なんだか叱られてしょんぼりしてる大型犬みたいだな。思わずその頭を撫でたが、高いシャンプーを使ってるだけあって、燭台切の髪の毛はサラサラだった。なんだこの艶は・・・!とか言ってるシャンプーのCM思い出した。

「シャキっとしろよ。男前が台無しだぞ」
「えっ・・・長谷部君?」
「俺は別に怒ってない。」

この際蚊に刺されたと思って諦めることにする。ん?この場合は犬にかまれただろうだと?馬鹿言うな。犬に噛まれたらしばらく忘れられないだろ。蚊に刺された程度ならすぐ忘れる。痒いだって?×印付けておけ。

「ただ・・・ああいう場所では止めた方がいいな。」
「次からは気を付けるよ」

なんで次がある前提なんだ。ただでさえこの顔を見ると気持ちがざわつくというのに、これ以上面倒くさいのはごめんだ。俺は穏やかに余生を過ごしたいだけなんだ・・・いや、戦やってる時点で穏やかな余生は無理な望みだったな。とりあえず、戦以外のことで心を乱されたくないんだ。燭台切はただの同僚・・・それ以上でもそれ以下でもない。この気持ちだっていずれは落ち着くはずだ。長谷部の記憶の残滓が俺を惑わしているだけなんだ。きっとそうだ。そうに違いない。そうだと言ってくれ。 

「やけに疲れた顔してんな。どうした?」
「風呂上りにボディクリームを塗りたくられた・・・」
「あぁ、どおりでいい匂いがするわけだ」

風呂場で燭台切に全身くまなくボディクリームを塗り込まれた。触れられるとくすぐったいし、恥ずかしいし、変な声出るしで最悪だった。俺はある程度くすぐり耐性があったはずなんだ。それなのにこの身体は敏感すぎる。風呂で疲れを癒すどころか、逆に疲れた。

「おやすみ」
「おやすみ」

働いていた頃に比べたらかなり健康的な生活になってるな。ちゃんと三食食べて、身体動かして、睡眠を取って・・・。人間だった頃より人間らしいというのも皮肉な話だ。

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Posted on 2017/07/16 Sun. 07:00 [edit]

category: 刀剣乱舞小説

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